ボルトの強度区分とは?
ネジ締結の仕組み ネジは締結した際に少しだけ伸びています。 伸びたネジが元に戻ろうとする力によって雄ネジと雌ネジの山に摩擦が生じ、ネジは緩まなくなります。 ネジの強度区分は、どのくらいの力まで伸びる力に耐えられるかを表しています。 |
強度区分4.8とは?
一般に広く使用されている鉄製のボルトは、強度区分4.8の物が多いです。
"4.8" の「4」とは、引っ張り強さがその100倍の 400N/㎟ であること。
"4.8" の「8」とは、引っ張り強さ 400N/㎟ の 8割までは伸びたボルトが元に戻ることを示しています。
つまり、400x0.8=320N/㎟まではボルトが塑性変形による永久ひずみが発生しない事となります。
ステンレス製のネジは別規格となります。
主な鋼鉄製ボルトの強度区分
強度区分 | 詳細 | ||||||||||
4.8 | 引っ張り強さ400N/㎟で320N/㎟までは元に戻る。 | ||||||||||
8.8 | 引っ張り強さ800N/㎟で640N/㎟までは元に戻る。 | ||||||||||
10.9 | 引っ張り強さ1000N/㎟で900N/㎟までは元に戻る。 | ||||||||||
12.9 | 引っ張り強さ1200N/㎟で1080N/㎟までは元に戻る。 |
強度区分A2-70とは?
強度区分A2-70とは、ステンレス製のボルトに用いられる表記になります。
"A2" とは、ステンレスの鋼種区分となり、"70" は強度区分となります。
例えば、"A2-70" と表記されたボルトは、SUS304相当材で冷間加工された引っ張り強さ700N/㎟のものとなります。
主なステンレスの鋼種分類
鋼種分類 | 代表的な鋼種 | ||||||||||
A1~A5 | オーステナイト系ステンレス。SUS303 , SUS304 , SUS XM-7 , SUS316等 | ||||||||||
C1~C4 | マルテンサイト系ステンレス。 SUS403 , SUS410等 | ||||||||||
F1 | フェライト系ステンレス。 SUS430等 |
主なオーステナイト系ステンレス製の鋼種区分
鋼種区分 | 代表的な鋼種 | ||||||||||
A1 | 切削用に設計された材料。 SUS303等 | ||||||||||
A2 | 代表的なステンレスの鋼種。 SUS304 , SUS XM-7 , SUS304J3 , 等 | ||||||||||
A4 | Moと添加した耐食ステンレス鋼。 SUS316 , SUS316L等 |
主なステンレス製ボルトの強度区分
鋼種区分 | 強度区分 | 引張強さ | 耐力 | ||||||||
N/mm² | N/mm² | ||||||||||
A | 50 | 軟質 | 500 | 210 | |||||||
70 | 冷間加工 | 700 | 450 | ||||||||
80 | 高強度 | 800 | 600 | ||||||||
C | 50 | 軟質 | 500 | 250 | |||||||
70 | 焼き入れ、焼き戻し | 700 | 410 | ||||||||
80 | 焼き入れ、焼き戻し | 800 | 640 | ||||||||
F | 45 | 軟質 | 450 | 250 | |||||||
60 | 冷間加工 | 600 | 410 |